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正岡子規~言葉と生きる

図書缶
04 /09 2011
 
俳句なんて無縁に暮らしながら、
折にふれ、正岡子規(伊予・松山生まれ。1867-1892)。
なんだかその生きざまが好きで。
 

 
正岡子規 言葉と生きる     坪内稔典・著
 
俳句・短歌・文章という3つの面で明治という時代とともに成長し、
34年という短い生涯を生きた正岡子規の評伝。
 
著者の坪内稔典さん(1944~)、子規との出会いは国語教員だった20代終わりに、
パチンコで勝ってしまった帰り道の古本屋の『子規全集』だそうで。
 
その私の坪内さんとの出会いは、たぶん20代の終わりころに
NHKで週1・30分・10回ほどの子規のお話。
なんだか毎週楽しみにしてた記憶と、
最後の回に子規が長い結核の闘病の末に息を引き取った時の
子規の母の一言「もう一回痛いとお言い」を
目を潤ませながら語られて終わられたこと。
 
この数年のNHKでの『坂の上の雲』ドラマ化のためか、その特集にも
頭が白くはなられていたがお変わりない坪内さんの子規のエピソードが。
 

 
本文は、子規の言葉を挙げて、その言葉を読み解くようなスタイル。
 
その中にもあるのですが子規と漱石とのやり取りは、
お互いを尊敬しながら忌憚なく批判もしあう好きなところです。
漱石曰く「お前は朝から晩まで書き続けIdeaを養う余地がないじゃないか。
書くのが楽しみなら無理によせとは言わないが
毎日毎晩書いて書いて書き続け、子供の手習いと同じだ」
本を読め。
  

 
それでも子規は書いて書いて書くということが好きだったんですね。
そして言葉にリズムが生まれ、
子規の好きな野球の、キャッチボールのように
言葉によって他者とのかかわりの展開を楽しむ。
 

 
そういう子規を漱石はやはり尊敬し
「子規は人間として、文学者として最も『拙』の欠乏した男だ」
 
下の書簡集の表紙絵は子規が漱石に贈った東菊の絵。
 

 
その横には「この画がまずいのは病人だからだ。
君も横になって肘をついて描いてみたまえ」の添え書き。
のちの漱石の言葉は「その文章を拙なく書く人が、
絵の具の筆になるとたちまち拙になってしまうところが、微笑ましい」
 

 
もひとつ、人好きの子規。
もう病気も随分悪くなり動けなくなっても、
人が集まるのを好み、子規を囲んで折々の句会・歌会。
それを誘うはがきに
 
我庵ノ硯ノ箱ニ忘レアリシ眼鏡取リニ来歌ヨミガテラ
 
これは伊藤左千夫 宛て
 
 
 
 
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めかねこ

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